こんにちは、図書館司書のこのみです。
公共図書館で児童サービスを担当する、司書のこのみが赤ちゃんの読み聞かせについて解説します。
- 図書館勤務歴8年。公共図書館にて児童サービスを担当。
- 親子向け読み聞かせ実践講座の講師を担当。
- 読み聞かせにまつわる親の様々な悩みを聞き、解決しています。
子どもには本好きになってほしい!
赤ちゃんのうちから読み聞かせをするべき?
無理に急ぐ必要はありません。
まずは、家庭でたくさん語りかけてあげましょう。
赤ちゃんに読み聞かせは必要?
ことばの土台をつくることから
本は、所詮ことばでできているのですから、本を読むためには、ことばの力が必要です。(中略)赤ちゃんはめざましく成長しますが、「本を読む」という視点から考えると、それに一番深く関わる「ことば」の土台がつくられるときなのです。
――『子どもと本』松岡享子(岩波新書)
子どもが絵本や読書を楽しめるようになるには、段階があります。
図書館における児童サービスでは「耳からの読書」とよく言いますが、これが基盤にあってこそ「目からの読書」が楽しめるようになります。
つまり、「ことばの土台」があってこそ、おはなしの世界や絵本を楽しめるようになるということです。
そのためには、どうすればいいのか?
ご家庭でお子さんとたくさんコミュニケーションをとりましょう。
身近にいる大人が子どもと向き合って、十分な関わりをもち、たくさんのことを共有することこそが「ことばの土台」をつくっていきます。
つまり、「ことばの土台をつくる」とは、親子の間に安定したあたたかい人間関係を築くことでもあります。
親子の愛着関係が土台となってこそ、その後、絵本を楽しめるようになります。
まずは、赤ちゃんと正面から向き合い、たっぷり可愛がってあげてください。
わらべうたをうたおう
わらべうたとは、「口承文学」とも言われ、口伝えで子どもに歌い継がれてきた歌や遊びを伴うものです。
わらべうたは、話し言葉に韻律の付いたもののため、童謡よりもメロディが話し言葉に近いことが特徴です。
また、わらべうたには、親子で目と目を合わせて遊ぶものや、体に触れる遊びが多く、親子の愛着関係を育むことにも適しています。
「耳からの読書」を実践するために、絵本への導入として、まずわらべうたを日常に取り入れるところから始めてみましょう。
その後の絵本への導入もスムーズに行うことができます。
生活のなかに本を
生活のなかに本があること、おとなが本を読んでやること、のふたつです。
――『子どもと本』松岡享子(岩波新書)
これは、松岡享子氏が「子どもを本好きにするには?」と、聞かれたときの回答です。
一方で、「無理に早くから絵本を読む必要はない」とも、述べておられます。
それは、前述のとおり、早くから絵本を読むことよりも、親子の愛着関係を築き、「ことばの土台」を作ることの方が大事だからです。
ですが、本に親しみを持つためには、本が身の回りにある普通のものとして、日常的に子どもの意識に入ってくる環境を作ることも重要です。
結論:赤ちゃんへの読み聞かせはした方が良いが、無理に急ぐ必要はない
実際、赤ちゃんの時期からの読み聞かせは、児童期の読書習慣形成に効果があるとの意見もあります。
また、赤ちゃんは従来認識されていた時点よりも早く言葉や物語を理解し、周りの状況を認知する力を持っていることがわかってきた、という研究結果もあります。
しかし、それも親子の愛着関係が土台にあってこそ発揮されるものです。
親が読書を通じて、「本好きになってほしい」「読解力、国語力を身につけてほしい」といったことを望むのは当然だと思います。
ですが、絵本を早期教育の一環として取り入れるのはやめておきましょう。
本来、おはなしの世界や知識を得ることは楽しいことです。
読書は楽しいものであり、大人も子どもも心から楽しいと思ってこそ、読み聞かせや読書をながく楽しむことができます。
絵本をお勉強の道具として使用するのではなく、あくまでも親子のコミュニケーションツールとして活用していくことをめざして、まずはこの記事でとりあげたポイントを意識してみてください。
まとめ:まずは、親子の絆を深めることから
今回は、赤ちゃんへの読み聞かせを始める前にすべき3つのことについて解説しました。
今回のポイントは、以下のとおりです。
まずは、子どもに愛情と言葉のをたっぷり注いであげます。
そうですね!
読み聞かせを始めてからも、
絵本を親子のコミュニケーションツールとして活用していきましょう。
以上、図書館司書のこのみでした!
最後まで、読んでいただきありがとうございます^^
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