いよいよ2025年(第71回)青少年読書感想文全国コンクールの課題図書が発表されました!
今年も、小学生から高校生までの幅広い年代に向けて、魅力的な18冊が選ばれています。
図書館司書の視点から、それぞれの本の特徴や、読書感想文におすすめのポイントをご紹介します。
小学校低学年(1・2年生)向け【4冊】
- 『ライオンのくにのネズミ』
勇気と友情を描いた絵本。文章が短く、気持ちの変化を書きやすい1冊。
- 『ぼくのねこポー』
ぼくがひろったのはほんとうにすてねこかな?少年の心の機微を丁寧な筆致で描いた幼年童話。
- 『ともだち』
大好きな友達がとられてしまったような気持ち。友達を受け入れるまでの心温まる物語。
- 『ワレワレはアマガエル』
アマガエルの生態を、アマガエルたちの自己紹介で楽しく見せるちしき本。
小学校中学年(3・4年生)向け【4冊】
- 『ふみきりペンギン』
おくはらゆめの作絵による、やさしい物語。
- 『バラクラバ・ボーイ』
バラクラバ帽をかぶった転入生のトミーがやってきた!あの帽子の下には何がかくされている?
- 『たった2℃で…:地球の気温上昇がもたらす環境災害』
もし地球の気温が2℃あがったら、地球上に起こる大きな影響を伝える絵本。
- 『ねえねえ、なに見てる?』
同じ場にいても、見ているもの、その見え方は全く違う。多様性と共感について知る絵本。
小学校高学年(5・6年生)向け【4冊】
- 『ぼくの色、見つけた!』
色覚障がいを持つ少年の成長物語。自分の個性や違いに目を向けるきっかけに。
- 『森に帰らなかったカラス』
少年と動物とのふれあいを通して命を考える作品。
ロンドン動物園の元主任飼育員の少年時代の実話をもとにした、心あたたまる児童文学。
- 『マナティーがいた夏』
認知症のおじいちゃんのお世話、友達の引っ越し、マナティの世話。変化に向き合う勇気をくれる、ひと夏の成長物語。
- 『とびたて!みんなのドラゴン』
難病の先生と子どもたちの合唱実話。努力や仲間との絆が感想文のテーマに最適。
中学生向け【3冊】
- 『わたしは食べるのが下手』
会食恐怖症、ムスリムなど様々な理由で”食べられない”中学生達の給食革命。
- 『スラムに水は流れない』
インド有数の大都会ムンバイ。家族の絆、友情、そしてインドの「今」を描く、勇気と成長の物語。
- 『鳥居きみ子: 家族とフィールドワークを進めた人類学者』
「家族とともに調査・研究する」という形で、女性の活躍が厳しい時代を生き抜いた先駆的な研究者の話。人類学のなかでも、昔から伝わる生活・風習・伝説・歌などを調べる民族学を切り開きました。
高校生向け【3冊】
- 『銀河の図書室』
今を生きる高校生たちの青春と、宮沢賢治の言葉が深く共鳴する感動長編。
- 『夜の日記』
自分の思いをことばにできない少女は亡き母にあてて、揺れる心を日記につづる。
ニューベリー賞オナー賞受賞作!
- 『「コーダ」のぼくが見る世界:聴こえない親のもとに生まれて』
※コーダとは、Children of Deaf Adultsの略(CODA)で、聴こえない/聴こえにくい親のもとで育つ、聴こえる子どものこと。2024年9月公開映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」原作者の最新エッセイ集。
課題図書の読み方のポイント
- まずは、自分に合うテーマ(家族・友達・悩みなど)を探しましょう。
- あらすじだけで選ばず、実際に読んで「心が動いた場面」をメモしておくと感想文が書きやすくなります。
- 図書館では、課題図書の展示や読書感想文の書き方ガイドの配布もあるので、気軽に利用してみてください。
図書館・書店での入手方法
- 7月頃から、各地の図書館で課題図書の貸出・展示が始まります。
- 書店・オンライン(Amazon・楽天など)でも順次販売開始。
- 人気の本は貸出予約が混み合うため、早めの行動がカギ!
おわりに
2025年の課題図書も、心に残る名作が勢ぞろいしています。
読書感想文の本選びに迷っている方は、ぜひこの記事を参考に、お子さんと一緒にページをめくってみてくださいね。
図書館司書として、これからもおすすめの本や感想文の書き方のヒントを紹介していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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